破壊力

良い歳した大人が、こんなことを本当にするのか?と思うことの一つに『水を吹き出す』と言うのがある。

お笑いの罰ゲームの話では無い。

日常に於いてである。面白さの余り口に含んだ水を吹き出す。そんなことが実際にあるのだろうか?これが、小学男子の給食中にふざけた結果ならありえる事かもしれない。

いわゆる、『チャラリーン、鼻から牛乳〜』の状態である。

しかし、これが良い歳をした大人の演劇稽古中であったらどうだろうか?

そんなこっぱずかしい事が起こりうるのだろうか?皆様におかれましても甚だ疑問を感じざるを得ないと思われます。

しかし、これが、起こったんですよ、奥さん。私、この前身をもって体現致しました。

多分、油断してたんですね。

本物の持つ力と言う物を甘く見ていました。

稽古見ながら、何気なく水筒のアクエリを口に運んでいたんでございます。

その瞬間、事件は起きたんです。

会議室でも現場でもなく、もちろん封鎖出来ないレインボーブリッジなどでもなく、事件は、稽古場で起きたんですよ。

本物の外国の方による片言の日本語の破壊力の凄まじさと言う物を思い知らされました。

余りの面白さに、吹き出しましたよ、私。

この歳になって人生で初めてアクエリ口から吹き出してしまいました。

世の中にはまだまだ、初めての事があるのだな、この世はデッカい宝島だな、そうさ、今こそアドベンチャーだな、と思った次第です。

そして、これは、私の脚本による面白さではない、彼の持つ面白さなんだ、と言う事に少なからず嫉妬致しました。

これからは、彼がセリフを言う時は絶対に口に物は含まないと固く誓ったある日の稽古場でした。

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