Taurin 1000mg Theater
 
 

しま演劇工房「創世記」後半 公演記録
 第6回公演~第10回公演まで

しま演劇工房、通称「しま工」の、怒濤の旗揚げ公演から史上最大の第10回公演までを「創世記」と、このHPでは呼ばせていただくことにした。このページでは創世記後半、第6回公演から第10回公演までを取り上げる。

この時期になってくると、それまで学生だった我々も「就職」という問題に直面する。
当然練習時間の制約問題が出てくる。今までのようにはいかなくなるわけである。

そんな中でも「家路」、「夕立伝説」などの名作や、「飛鳥」などの力作も登場する。今まで主に演出をやっていたカンちゃんによる唯一の作品もこの時期だし、あの超大作も・・・。


 

第6回公演「家路」 1982.3.26-29 栃木会館小ホール

  shimakou_6th_pamph_1_s.jpg(12197 byte)
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<CAST>

澄友浩一郎…36(サム)
澄友 明子…ルル
中島久美子…Moo

澄友シー子…にんにん
澄友タケ子…タケル


江本 明…ター坊
宇曽田博士…カンちゃん
松本緒代…ハミ
小倉民子…アイちゃん
熊さん…たまみ
女中…ちゅん

澄友理香…ミルミル

 

<STORY>

明子は、澄友財閥の御曹司、浩一郎に嫁して早5年目を迎える。

身分不相応との周囲の反対を押し切って結婚したものの、その直後、浩一郎は交通事故で下半身不随の身に。それを契機に激化する明子への風当り。にも拘わらず、けなげに粉骨砕身する明子。そんな人々の周りを様々な時間が駈けぬけてゆく。

そんなある日、小姑の決定的な追い出し挑戦が始まる。「不妊は妻の最大の悪徳、夫婦愛に重大な問題が‥‥。」小姑による陰謀、邪推の数々。果たして、明子は苦渋の中、真の夫婦愛を勝ちとれるのだろうか?


久美子は、独身OL27歳。社会も友達も算術で割り切り、下をさげすみ、上をもねたむ典型的な現代娘。明子と正反対な性格で行動派だが、明子だけが学生時代以来の親友でもある。

常に現実に不満を持って生きる彼女がつかんだチャンスは、こともあろうに明子をつき落とす形で‥‥。


明子と久美子。まったくレールの違った自称親友が、いつしか一本のレールに合流し、真実親友の道を探し出すには、多くの苦しみと涙が、そして暖かい人々の愛が必要だった。

(当日パンフレットより)

戯曲より~

ある別荘の庭先である。男が車椅子に座り、目を閉じている。
近くのテーブルでは、女が編み物をしている。「夕焼け小焼け」の唄が流れる・・

浩一郎 (唄を聞いて)ほお・・いい唄だなあ・・あの曲を聞くと、決まって心が柔らかくなる・・

明子   あら・・・起きてらしたんですか・・・あたしはてっきり・・

浩一郎  君がこのガウンを載せてくれたことも知っているよ・・・

明子   いやですわ・・・それを・・・

浩一郎  黙って見過ごしたわけじゃないよ。小さい声でいったはずだよ。ありがとう、とね。

明子   あなた、春の日暮れはまだまだお寒いですわ。そろそろ…


…こんな場面で始まる、しま工初のヒロイン物。これからしばらくしま工を引っ張ってゆくことになる女優ルルの初主演作。

実は久しぶりにこの戯曲を読んでみた。
明るく、希望に満ちた作品である。このあと頻繁に現れる男女関係へのシニカルな視点は、この作品では微塵もない。

ミルミル演じるスーパー婆さん、理香が圧巻だった。ルルの役はもちろん明子である。そして友人の久美子役はMooである。

またこの芝居はしま工にとってこれから欠かせない存在となる女優タケルのデビュー作(小姑の一人、タケ子役)でもある。
私はというと、チョイ役、八百熊ピーマンズの熊さん役であった。東京で色々と忙しい時期で、練習に出られなかったのである。



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第7回公演 「メリーゴーランド」 1982.8.27-28 栃木会館小ホール


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 <CAST>

紫苑 亜紀子…ルル

紫苑 奈津子…香澄
野川刑事…36(サム)
桑田刑事…グー坊

笠井 馨…タケル


山本看護婦…ちゅん
田野辺看護婦…アイちゃん
木村のばっちゃ…ハミ
木村の娘…メダカ
田中のじっちゃ…ミルミル
飯田のじっちゃ…なおやん
刑事A…きょん

影森貫太…たまみ

  <STORY>

夕日の泪と名付けられたイヤリングには,不思議な言い伝えがあった。そのイヤリングを持ったまま死んだ者は、必ずよみがえるという伝説であった。

生きることに失望していた亜紀子にとって、この世にたった一つ支えになってくれる人は、愛人の日寺登だけであった。日寺は、彼女にとって傷だらけの羽を休める唯一の巣だった。ところが、その日寺があまりに突然の死をとげる。彼女に残ったものは、彼が書いた短すぎる走り書きと、伝説のイヤリングだけだった。

謎につつまれた日寺の死…日寺は自殺か、他殺か。時価数億円というイヤリングをなぜ日寺が持っていたのか。警察の必死の捜査が開始される。鍵を握るのは夕日の泪…。

再び絶望のどん底に突き落とされた亜紀子をかろうじて支えているのものは、日寺の死の謎だけだった。真実を知るために亜紀子は様々な人とそして事件と出会う。そこで亜紀子が見たものは…。

運命という流れの中で絶望のどん底にある人間は何を求めるのか、求めなければならないのか…。

あなたは、運命という言葉を信じますか。

(当日パンフレットより)

カンちゃん作による最初で最後の本公演作品。

第一幕は一言で言うとギリシャ悲劇?
「縛られたプロメテウス」(だったかな?)を読んだ時、女達(コロスだと思う)が悲嘆に暮れっぱなしのシーン、どこかで見た事あるなと思ったらカンちゃん作「メリーゴーランド」、これだったのだ。

第一幕ではルル演じる恋人を亡くした女がずーっと泣き通しです。
まあ、観る方としてはちょっと、いやかなりきついんだけど、幕間に流れるジョー・サンプルの「VOICES IN THE RAIN」がその重たい悲しみに包まれた空気を浄化してくれ、魂が洗われた気分になる、不思議な魅力を持った作品でもあります。

第二幕では私が登場し、お笑い部分もちゃんとあります。
 

 
1982年:「機長、やめてください」、「心身症」、ホテルニュージャパン火災、笑っていいとも
 
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第8回公演 「飛鳥」 1983.3.12-13 栃木会館大ホール


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 <CAST>
 
 華維和貴…36(サム)
 
 光村 孝…ミルミル
 
 里中聖子…タケル
 
 管 主…グー坊
 
 

 
 学 生…ヤナッチ
      ちゅん
      ニンニン
     
 教 師…たまみ
  
        他

 

<内容解説> ~当日パンフレットより
 
 歴史は時として「過去」という家をこっそり抜け出して、我々を「未来」の国へと誘う。「過去は再び戻らない」というが、実は我々の生活は、「過去」の繰り返しだ。「明日のことはわからない」というが、「明日」のこと程、はっきりしていることはない。すべては歴史が演出する時間のトリックにすぎない。
 
 若き歴史学者、華維和貴(はないかずたか)のもとに、ある日、見ず知らずの女性から一通の手紙が舞い込む。法隆寺の謎について調査を依頼するその手紙は、一度は歴史学者を捨てようとした華維を、ぐいぐい運命のもとへと引き寄せていく。彼に思いを寄せる助手、里中聖子(さとなかせいこ)。学生時代からの無二の親友、光村孝(みつむらたかし)助教授・・・華維をめぐる人間たちも、運命の大きな渦の中で、悩み、考える日々。
 法隆寺にまつわる七不思議「史録(しろく)」「中門(ちゅうもん)」「塔」「夢殿(ゆめどの)」「三尊(さんぞん)」「寺位(じい)」「建立(こんりゅう)」とは、一体何なのであろうか?
 苦悩と葛藤の果てに、華維と光村が見た「真実」とは、何であったか?
 ひとり歩きをした「歴史」の正体が、たった今、あなたの目の前に現れていく。

 

しま工長台詞ワールドはここで究極に達する。
法隆寺の謎を解く学者の話だが、台本を見るとまるで歴史の資料集のようである。
そこで説明系長台詞にめっぽう強い、細くて長い男36(サム)の才能が遺憾なく発揮されることになる。
私は練習に参加できず、通行人の役だけだったので袖でしま工の舞台を見ていた。
ミルミルの謎解きの台詞に不覚にも涙してしまったのだった。

 


 

第9回公演 夕立伝説 1983.8.19-20 宇都宮市文化会館小ホール

  
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人間は誰でも、今よりもっと、他人よりもっと、幸せになりたいと願っている。そして、その頂上はひとつであっても、方法は数限りなきことも知っている。そう‥‥、誰もがみな、その方法を少しずつ誤って、「幸せの軌道」からはずれていくのだ。もちろん、誰のせいでもない。
 
 
小田切誠一・慶子夫妻は、典型的な現代カップル。目立とう精神に燃える"ネアカ人間"の夫と、売れっ子コピー・ライターの妻。翔んでる姑に、別居中の舅。そして、娘がひとり。ただ、ひとつだけ変わっていたのは、誠一が、過去の犯罪歴を隠し、世捨て人の暮らしを続けてきたこと。
 
時効の日を前に、一から出直しをする夫婦。解き放たれた自由の日々を思い、幸せの青写真を胸にときめくふたり。ところが、彼らの思いは、まったく予想もつかなかった部分から破綻する。
 
出現する謎の女。
彼らを包みこむ「夕立伝説」。
失踪した娘・広美をめぐって、彼らを誘う隠れ里。
幸せを目指した、ある夫婦は、運命に翻弄され、意外な結末へと導かれていく。
 
真に、幸せを邪魔するものは何か?
この世に、まだユートピアはあるのか?
新しいリズムが今、あなたに忍び寄る。
 
しま工の旗揚げ公演をご記憶でしょうか?
「夏に雨の降るごとく」    
我々を宇都宮に送り出してくれた雨、雨。
その雨が、5回目の夏に再び帰ってきました。大きく、激しく、様々な想いを込めて、‥‥‥そして、もちろん、雨あがりには、虹を用意して。  

「六本木で農業を営む」という設定が愉快。
夫婦のボケ突っ込み会話もなかなか面白い、結構好きな芝居だ。
子供が神隠しにあってしまい、その娘に会うために栃木にある「隠れ里」に行くといった話だった。
チェリーとルルの夫婦コンビが痛快。

1983年:三宅島大噴火、大韓航空機墜落事件、「おしん」、「スチュワーデス物語」
 
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第10回公演 北斗七星の8つめのサヨナラ 1984.3.4-4 栃木会館大ホール


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 <CAST>
白坂 徳次郎・・・・たまみ

谷田部 真・・・・ミルミル
川上ちえみ・・・・タケル

山 角 署 長・・・・KAN
星影 佐和子・・・・ちゅん
川村 理恵 ・・・・ちゅん

遠田ゆかり・・・・香澄
馬場 刑事・・・・グー坊
家政婦(山下美代)・・ハミ
目撃者(村上洋子)・・お市
声の出演・・・チョイ役研究会
桶川 教授・・・・Goさん

岡本修三・・・・ター坊
大野葉子・・・・ルル

島影正彦・・・・36

日光連山に遅い春がやってくる頃、北の空高く北斗七星のアルコルとミザールが不気味な程その輝きを増す。お気づきだろうか?去年の春とは全然違った顔をしていることを。我々は人生の半分をかけてつきあう星たちに、あまりに冷たい。銀河は果てしなく黙して‥‥‥じっと見おろしているだけだ。

この星をくる日もくる日も見上げている人間が二人いた。

ひとりは天文学者の島影正彦。彼は、銀河に起こりはじめた変化を15年も追っている。広大な謀略を巧みにしかけながら。そして、もうひとりは‥‥‥。

地上にちりばめられたさまざまな愛の形を映して、銀河を舞台にした未曾有のドラマが今、幕を開ける。「北斗七星の謎」とは何か?真に我々を救うのは何か?    しま工が世に送った"あの男"が失踪してから早3年。"あの男"の風がゆっくりと動き出す。不思議なメッセージをのせて。

壮大なロマンにトリックをかけた、創団5周年記念公演に乞うご期待!
(チラシより)


今はなつかし「恐怖の大王」を題材にした謎解き物(推理劇)。超大作である。上演時間がとにかく長いという意味でも(笑)。

ここでも説明系セリフを言わせたら右に出るものはいない36が学者として大活躍。
第8回公演「飛鳥」で究極に達したかに思えた「長ゼリフワールド」は、しま工の歴史上でも類を見ないほどのピークに達するのだ。

しかし、しかしである。この脚本は遅れに遅れ、最後の原稿が届いたのが何と公演5日前!しかも膨大な謎解きセリフ。スーパー弁護士を演じる私のセリフである。おいおい、プロじゃないんだからよ!

本番ではどこをしゃべっているのか分かんなかったです。どこがどう抜けたかもわかんなかった。公演時間も3時間を越え、ホールの人に怒られました。


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