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タウリン20XXは栃木県宇都宮市の劇団です。楽しい演劇、面白い芝居をお届けします。

しま演劇工房「発展期」後半 公演記録
 第16回公演~第20回公演まで


「発展期」後半も傑作揃いだ。
我々の世代の「父」像を追い求める「めんたいこホテル」、喜劇要素もたっぷりの本格的推理劇「その手は桑名の焼きハマグリ殺人事件」、しま工初の舞台転換なしの近未来劇「鏡の国の十三夜」などなどである。
時代もついに平成に突入する。そう、第18回公演までは「昭和」の時代に上演されたのであった。

 

第16回公演 めんたいこホテル 1987(昭和62年)4.4-5


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<CAST>

島野 有・・・たまみ

片桐支配人・・ミルミル
片桐良子・・・ハミ

島野魂造・・・しゅん

男 A・・・・36
男 B・・・・グー坊
女 A・・・・みなみ
女 B・・・・アイちゃん

悦子の夫・・・ター坊

赤山美穂・・・ちゅん

飯田則子・・・・
ギャル1・・・・くるみ
ギャル2・・・・お市

電話の女・・・・モレア

佐久間悦子・・・ルル
島野紗也加・・・タケル
<STORY>
島村魂造には3人の子どもがあった。

長女・悦子はすでに嫁し、大阪でコンピューター関係の会社を経営する佐久間の妻となっている。次女・沙也加は、仙台のとある大学の医学部に研究室助手として奉職中。そして3番目が待望の男子=有(ゆう)だった。有は現在、東京の区立中学校で教鞭をとっている。 すなわち、栃木県内に4つのホテルを持ち宇都宮に在住する魂造のもとには、ひとりの子も残っていないのが“今”だった。

そんな魂造に、”不治の病”の宣告がもたらされるところから、舞台は始まる。

有を産んでまもなく、死別を余儀なくされた妻・・・・・。 まさに裸一貫から、ようやく成功して経営する4つのホテル・・・・・。 性格がバラバラ、三者三様に長短所のはっきりした3人の子ども・・・・・。

混乱する思考の中で、魂造が辿りはじめたのは、紛れもなく≪誰に事業を継がせるか!?≫の一事だった・・・・・。


そんなさなか、東京の有のもとに突然の訃報がもたらされる。「父が・・・・・。」

同僚の女教師とともに、宇都宮に急行する有。だが、大阪からより、仙台からより、早く実家に到着したがために、有はたいへんな場面に遭遇してしまう。

その日から、有は「父」を追いはじめる。 父の過去、父の思惑、父の夢、父の本当の姿を   

次々に深まる謎、また謎。そして、有のもとに舞いこむ不思議な電話。さらに、出没する謎の男女。

果たして、有が追い求めた「父」とはなんだったのだろうか?そして父の死がもたらしたものはなんだったのだろう? 舞台は、1960~70年代の郷愁を背景に大きく展開していく・・・・・。

(当日パンフレットより)

これも一連のユニークな作品群の一つ。冒頭の、ある女性からの間違い電話を主人公の島村有が受けるシーンから観客の目は主人公と同化する。
「めんたいこホテル」タイトルもうまいなあと思う。

1987年:地上げ屋、ボディコン、俳優・石原裕次郎が死去

 

第17回公演 その手は桑名の焼きハマグリ殺人事件         1988(昭和63年).4.1/2/3 栃木会館小ホール

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<CAST>

本田 啓介・・・たまみ

沖野 鴨女・・・タケル
源氏 光・・・・真くん
平家 幌部・・・グー坊

三田村秘書・・・mono
渡辺 喜久・・・
鑑識A(中村)・・くるみ
鑑識B(田中)・・
中村巡査
庶務の女・・・・るり
売り子・・・・・アイ

秋美・・・・・ちゅん
厚子・・・・・モレア
愛・・・・・・ハミ

男A・・・・・きょん
男B・・・・・Go°さん

力石署長・・・ミルミル

遠島 綾子・・・ルル
<STORY>
東京から、各駅停車で2時間。本田啓介はこの街に生まれ、この街で育ち、この街の警察署に奉職する刑事だ。
”都会志向”が並大抵でない彼は、警察署の要職にある叔父のつてで、密かに東京の警察庁への移動を工作している最中である。

遠島綾子は、高校卒業後、この街を出て、東京で事業をおこす。
いわゆる”裸一貫”から身を起こしたが、彼女は持ち前の才気と、”武器”を活用しながら、輸入雑貨の店を原宿、青山に開店した。
だが、3店めの銀座で大きな負債を抱え、すべては灰燼に帰す。
・・・もう東京には何もない・・・。そう思った時、彼女の足は郷里へと向いた。

FURUSATOを「捨てたい男」と「これから必要とする女」-その二人は、奇しくも同じ列車に乗り合わせ、恐ろしい運命の糸にぐいぐい引き寄せられていく。

一方、綾子には巧妙なワナがしくまれているのだが、「真実」は誰も知らない。
FURUSATOとは何か?
FURUSATOと、どうつきあうべきか?
大きな命題が、T県のT会館の中をゆっくりと流れていく・・・・。

(当日パンフレットより)

啓介が綾子と下りの新幹線の中で偶然隣り合わせになる場面がやはりこの芝居を代表すると言っていいシーンだと思う。
この中途半端な地方都市、「宇都宮」を啓介と綾子のやりとりを通して見事に描き出している。しま工芝居の代名詞的存在である「スライド」でそれぞれの心の中を描くという使い方も面白い。


これは本格的推理劇、と言っていい作品だと思う。謎解きの中に"青函連絡船"が出てくるのも時代ですなあ。

ちなみに主人公と同姓同名(名前の漢字は違う)の本田圭祐は1986年6月生まれだ。この時まだ1歳。

1988年:青函連絡船終了、青函トンネル開通(3月13日)、瀬戸大橋開通、おたく族、オバタリアン

 

第18回公演 ワイン街道の一枚の写真
       1988(昭和63年)11.26/27 栃木会館小ホール

 
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<CAST>

島田 恵・・・タケル

船田刑事・・・真くん
渡辺刑事・・・ルル

野川泰介・・・36
野川美也子・・・ちゅん

室井・・・・・ハミ
松平・・・・・ミルミル
田中刑事・・・るり
児玉弁護士・・?
三田商事社員・・グー坊
マスター・・・・きょん
警官・・・・・Go°さん
  ・・・・・ケッケさん
  
織田博之・・・たまみ
 
     
<STORY>

平凡なOL生活を嫌って、島田恵は、輸入雑貨のフランチャイズ経営者へと転身した。
夢と刺激に満ちた新しい生活が始まる。
そんな折、同じフランチャイズの一経営者が謎の死を遂げる。
ひょんなことからフランチャイズの本社勤務へと栄進した恵は、いつの間にか大きな罠と殺人事件の渦中に落ち込んでゆく。
すべての事件を貫く、思いもよらぬ真実とは何だったのか…?

あらゆるミステリーと、どんでん返しの連続。観客が出演者と一緒に推理をしていく「100分推理ロマン」。

  (当日パンフレットより)

タケルの、謎解き女役としての初めての作品。台詞が明瞭でよくわかると評判の彼女は謎解き役に向いているのかもしれない。
私は悪役。いい人を装っているが実は裏では・・・という役。悪役は楽しいのである。




 

第19回公演 鏡の国の十三夜
       1989(平成元年)4.21-23 栃木会館小ホール

 

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<CAST>

小島祐子・・・タケル

黒田・・・・ケッケ
灰山・・・・ルル
桃谷・・・・たまみ
茶柱・・・・るり
白金・・・・真くん
赤町・・・・ちゅん
緑川・・・・ミルミル

巡視員・・・・グー坊
隊員・・・・KAN
      きょん
      mono
      ハミ
女の声・・・・モレア
男の声・・・・36
 
 
 <STAFF>
 
演出・・・・カン
照明・・・・ちゅん
音楽・・・・クッキー
衣装・・・・お市
       ミカ
効果・・・・ハミ
MU・・・・mono
       ラン
考証・・・・ター坊
舞台技術・・アイちゃん
小道具・・・くるみ
映像美術・・Go°
広報担当・・ミルミル
舞台監督・・きょん

原作・脚本・総監督
  ・・・しゅん

<STORY>

平成10年---。人々は、天災、戦乱、医療事故、犯罪予備軍に対して過敏となり、各都市には些細な異変でも作動するセキュリティーシステムが導入された。
安全で平穏な生活を希求するあまり、どのような兆候に対してもまずは”シェルター”への非難が義務づけられたのだ。

 小島祐子は3年前、その作品が高名な賞を受賞して文壇にデビューした小説家。
とはいえ、その後アイディアに恵まれず、次作に対する焦りはつのるばかり……。
苦悩ののち、彼女はある決心を胸にペンを執る。
 ところが、ようやく筆も進み、あと一息というときにとんでもないハプニングに見舞われてしまう。
危険に敏感すぎるセキュリティーシステムが彼女ら8人もの人間を、地下シェルターに閉じこめてしまったのだ。
ゆっくりと、だが確実に迫る死の影。極限状態に繰り広げられる人間模様‥‥。
情報も希望もなく、死と向かい合う長い時間の中で8人はいったい何を見たのだろうか。

 (当日パンフレットより)
  
     

しま工初、場面転換無しの一場面モノ!
私は2度目のオカマ役(笑)。
こんな近未来SFテイストな場面設定でも最後は謎解きで終わる所がしま工らしいところだ。
女流作家役のタケルは2回連続の謎解き女でした。
タケルは何故か謎解き女役が多い。・・と思っていたら、全体から見ればそうでもない。この時はたまたま続けてそうだったのでそういう印象が強くなってしまったのだろう。
まあ、はまり役なのかもしれないが。
この芝居も個人的には好きな方です。

(後日追記) "平成10年云々"とストーリーの説明にあるが、この年(1月8日から)が平成元年だったわけですねえ。
この舞台は主人公はタケル演じる小島祐子であるが、一筋縄ではいかない様々な登場人物たちが織りなす人間模様が芝居の中核を成す、しま工としては画期的な作品でした。平成になって初めてのしま工にふさわしいと言えるかもしれません。タイトルも格好良かったね。

1989年:大喪の礼、美空ひばり死去、ゲームボーイ発売開始、「幼女誘拐殺人事件」宮崎勤逮捕、

 

第20回記念公演 クリスマス・キャベツ 1989(平成元年)12.1-3


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<CAST>

島宮竜太郎・・・たまみ

静蟹 四郎・・・ミルミル

香田 里奈・・・ルル

 他キャスト調査中
<STORY>

香田里奈が、松田からプロポーズされるところからドラマは始まる。何不足ない松田の求婚にとまどいを隠せない里奈。というのも、彼女には12年もつきあった男がいたのだ。

確かに結婚の約束はしていない。今がよければ・・・・という12年だった。

男はフリーアルバイターとして定職を持たず、"今流"に生きてきた。ひたすら「責任」から逃れ、流行の職業とレジャーのための勤労にいそしんできた。そして、里奈もまたそんな生き方に馴染んでいたはずなのに・・・・。

男からの旅立ち、そのとき、12年は重くのしかかる。

夫婦の共同生活とは何か?結婚という形態はいったい何なのか? 長い苦悩の中から、里奈は自分の道を思い決め、松田の申し出を受けるのだった。

そんな折、学生時代の全てが詰まった喫茶店で里奈は男と再会する。ある種の賭けに挑む里奈であったが、あの日と同じ音楽、あの日と同じ香りの中でも、二人の間にはどうしようもないゆるやかな時間だけが流れていくのだった・・・・。

男・島宮(とうみや)竜太郎は30回目のクリスマスを迎えようとしていた。

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島宮竜太郎の親友、ミルミル演じる静蟹四郎(しずかにしろう)。彼は勤めていた一流企業を辞め、ユニークな保険のセールス会社を興し、その会社に島宮を誘う。
最初は会社に就職することに難色を示していた島宮だったが、香田里奈とのある「約束」のためにも、親友と共に働くことを決意する。
そんな彼が慣れない営業職で失敗を重ねるごとに次第に何かをつかんでいく様子がこの芝居のもう一つの中核を成す。

"10thAnniversarry"10周年記念でもあるこの作品。良い意味でしま工の「王道を行く」と言ってもいいストーリー展開。今まで変化球を投げ続けていたしま工が久々にストレートボールで勝負した、とでも言おうか。クリスマスにふさわしい感動のラストシーン。実に「しま工」らしい作品だと思う。