如月小春さんのこと


彼女の亡くなったのは2000年12月19日・・・
44歳の若さでこの世を去った。
あれからもう11年になるのか。
あさってが命日だったのだ。
暮れも押し迫った頃だったんだな。

今でも忘れない、「家、世の果ての・・・」の深い衝撃。
あの時、駒場小劇場は確かに巨大な冷凍庫と化したのだ。
そしてラストシーン。少女の叫びで、世界は開かれた・・・

その後、私は一時期彼女の主宰する「劇団綺畸」に所属していた時があった。
だが、宇都宮で「しま工」もやり、東京では「綺畸」と、中途半端に生きていた私は、
自分の身体のあり方に敏感でなければならぬ「綺畸」という場で活躍できるはずもなかった。

それでも、小春さんの熱気あふれる演出や、綺畸での稽古、そして自分という存在を舞台の上で発揮しきれなかった悔しさは今でも演劇をやっていく上でベースになっているなと感じる。
やるのならちゃんと舞台をやらないと、小春さんに笑われる。いや、怒られる、か。「たまー!」って。

2011.12.17