ヘレンのこと6

ヘレン・ケラー

またまたヘレンの舞台をやることになった。

この芝居、調べてみたら初演は1959年。私の生まれた年だ。

原作は実によく出来ている。意外にもリアリズムの舞台ではなく、抽象的な舞台で演じられる、と脚本に書かれている。

その上演時間は3時間以上と長く、時間の面でも我々の実力の面からも完全な形での上演は難しいので、抜粋したり、時には短縮するためにシーンを多少いじったりしている。もちろん基本形は変わらないのだが。

今回は、本当に上演用脚本に時間をかけた。というか、かかってしまった。

実は二つ、脚本があるのだ。

一つは10月にオトスクでやるやつ。通常バージョン。全員出演。上演時間は1時間45分くらいか。

だが、その一週間前に、なんと大阪でもやる事になっているのだ。

とある福祉団体のイベントの中の一部という位置付けで、時間も40分と限られている。経費の関係もあり、5人のみのキャストで演じるバージョンでやる事になった。

本来なら二つの芝居はまるっきり違うバージョンといきたいが、二つお芝居の間が一週間しかないために、それが出来ない。メインのシーンは全く同じにしないと、多分俳優が間違えるからだ。

今回は前回のバージョンよりも原作の良さを、と思っていたのでそこも押さえたい。

宇都宮オトスク公演版では、盲学校での授業のシーンと、ケラー家に子連れの訪問客バーナ婦人が現れるというシーン、そしてそのバーナ婦人がお友達の御婦人方とお茶を飲みながら無責任にケラー家の噂話をするというシーンは主宰からの強い要望で入れることに。せっかく入れるならもっとヘレンと女友達の絡みにリアリティを持たせたい。

・・・というわけで十分悩んだ挙句の脚本。

ただ、脚本は脚本でしかない。これをお芝居として立ち上げるのが苦しくも楽しいお仕事。

今回は、何とタウリンから女優のちひろが客演することになった。

舞台経験も十分で、プラス思考の彼女が未経験者の多い現場を引っ張ってくれている。

皆さん、お楽しみに!

稽古の様子とか時々ブログにアップしていこうかと思っております。

追記 ヘレンのこと6 という表題ですが、アルフェージュはここ何年かの間もヘレン・ケラーの公演は行っていて、今回は10回目となるそうです。ヘレンのこと「6」はあくまで私が関わった公演での回数です。

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